ATLANTIS
REFLECTION
ATLANTIS
ATLANTIS
REFLECTION
REFLECTION
この先のウクライナを予見する今こそ見るべき物語
目撃せよ!ヴァレンチン・ヴァシャノヴィチ監督作品、2作同時 緊急劇場公開決定 目撃せよ!ヴァレンチン・ヴァシャノヴィチ監督作品、2作同時 緊急劇場公開決定
6月25日(土)シアター・イメージフォーラムにて緊急公開! 6月25日(土)シアター・イメージフォーラムにて緊急公開!
本2作品の売上の一部を、ウクライナの映画人を支援する
International Coalition for Filmmakers at Risk
(リスク下にある映画人との国際連帯)へ寄付いたします。
Twitter

Trailer

Introduction

“2014年、侵略戦争のはじまり”と“2025年、戦争終結後の近未来”戦禍に見舞われたウクライナの真実を描く、今こそ見るべき物語 “2014年、侵略戦争のはじまり”と“2025年、戦争終結後の近未来”戦禍に見舞われたウクライナの真実を描く、今こそ見るべき物語

いま最も注目を浴びるウクライナの才能ヴァレンチン・ヴァシャノヴィチ 2作同時・緊急劇場公開決定! いま最も注目を浴びるウクライナの才能ヴァレンチン・ヴァシャノヴィチ 2作同時・緊急劇場公開決定!

2025年を舞台に、元兵士の“生”のはかなさと“愛”の尊さを描いた近未来のディストピア映画『アトランティス』と、敵の捕虜となった外科医の運命を、純真な少女の視点を交え、驚くべきショットの連続で凝視した『リフレクション』。『アトランティス』では“戦争終結後”が、『リフレクション』では“侵略戦争のはじまり”が描かれ、今年2月24日のロシアによる全面侵攻開始のはるか前から戦争が行われ、ウクライナはその脅威にさらされてきたという事実を我々に知らしめる。これまでウクライナが辿ってきた過去と、これから辿るであろう未来。かすかな希望のありかを模索しながら研ぎ澄まされた写実性と様式美で映し出した珠玉の2作を今こそ目撃してほしい。
なお、2月以降、ヴァシャノヴィチ監督はカメラを携え、戦禍の現実を撮影していると伝えられている。彼の無事を祈らずにいられない。

bg bg

アトランティスSTORY

ロシアとの戦争終結から1年後の2025年。戦争で家族を亡くし、唯一の友人も失った孤独な主人公セルヒーが、兵士の遺体発掘、回収作業に従事するボランティア団体の女性との出会いをきっかけに、自らが“生きる”意味と向き合っていく姿を描く。死に覆いつくされた世界を漂流する生のはかなさと、そこに芽生えた愛の尊さをサーモグラフィー・カメラが鮮烈に映し出す。

アトランティスINTERVIEW

Q:この映画の出発点は何だったのでしょうか?
A:まず、私たちの生活に大きな影響を与えた戦争について語らなければならないということです。紛争は3年近く続いていました。そんな時、「地球の水質が壊滅的に悪化している」という情報を知りました。この問題の主な原因は、廃坑が多いことです。坑道から出る水をうまく汲み上げられず、その結果、地下水の鉱物化が進みました。この状況は年々悪化し、やがて人が住めない砂漠と化し、しかも、この変化は元に戻すことができない・・・。そして、もうひとつ、ウクライナ東部の素晴らしい産業景観をカメラに収めたかったのです。そこは本当に魅惑的な場所で、火星まで行ったような錯覚を覚えます。直径数ミリから数メートルのパイプが何千本も並んでいて、それがとても華麗に、複雑に織り込まれているのです。それらが狂おしいほどの色彩で、信じられないような雰囲気を作り出していました。そこで、物語を近未来の2025年に移し、紛争の結果、そして製鉄工場の終焉も描こうと考えました。地雷原、失業者、環境破壊。このような暗い状況でありながら、私は、この戦争ですべてを失った主人公に出口を見いだしたかったのです。この死の領域で何が彼を支え続けたのか、それを理解したかったのです。
Q:この物語の舞台は、ウクライナ東部の紛争が終結した1年後の2025年です。そのころには戦争が終わっているという希望はありますか?
A:残念ながら、今となっては楽観的すぎたかなと思っています。
Q:主演俳優がとても素晴らしいのですが、プロでない俳優を起用したのはなぜですか?
A:戦争を生き抜いた人たちの映画ですから、戦争を経験していないプロの俳優では、私が必要とする感情の全容を伝えることはできないと判断しました。特に私自身が、トラウマとなるような体験をしていませんから。彼らには、自分にはない特別な体験を共有してもらうことで、より理解しやすい映画になると考えました。主役のアンドリー・ルィマルークに会ったとき、彼は戦争から帰ってきて働いていました。私は写真で彼の顔を見て、オーディションを受けるように誘いました。アンドリーは、悲劇と希望の両方を醸し出しています。本当に素晴らしい仕事をしてくれました。
bg bg

リフレクションSTORY

クリミア侵攻が始まった2014年。従軍医師のセルヒーは、東部戦線で人民共和国軍の捕虜となり、悪夢のような非人道的行為を経験。やがて首都キーウに帰還したセルヒーが、失われた日常を取り戻そうと苦闘する姿を、娘ポリーナとの触れ合いを軸に見すえていく。戦争と平和、生と死、肉体と魂、そして贖罪。深遠なる多義性に富んだ本作には、ヴァシャノヴィチ監督の並外れた才気が凝縮されている。

リフレクションINTERVIEW

Q:映画の中では紛争が描かれていますが、戦場から戻った後のことも描かれていますね。これは、特に経験者であれば、あまり話したがらないことです。
A:この戦争に関して言えば、誰も本気で向き合うことなく、7年も経っています。人が死んだり負傷したりしているのに、他の人たちはそのことについてまったく話したがらない。他の国々と違って、我が国の退役軍人は社会的な存在ではありません。リハビリテーション・プログラムもなく、彼らを支援するインフラもありません。彼らの多くはPTSDに苦しんでいますが、誰も専門的な手助けをしないため、自殺の割合が高くなっています。ウクライナに住む私たちにとって、とても「不都合」なテーマなのです。元受刑者にも焦点を当てることにしました。想像するのも難しいかもしれませんが、21世紀の今日、ドネツクの真ん中に「Isolation」という巨大な政治刑務所があります。皮肉なことに、かつては現代アートの中心地だったのです。戦争が始まると、ロシアの特殊部隊がそこを強制収容所にしてしまい、今も稼働しています。そこで何が起こっているのか、想像を絶します。
Q:ここでは2つの世界がぶつかり合っています。人々は普通の生活を送り、子供たちがペイントボールで遊ぶのを見ていますが、暴力は常に身近にありますね。
A:これは、私がどうしても強調したかったことです。ペイントボールのような無邪気な遊びがすべての始まりです。子供たちは、お互いを「殺す」ふりをして遊んでいるのです。しかし、やがて彼らは成長し、実行に移すのです。
「キーフ⇔戦争」という列車があります。首都からまっすぐ戦場へ、わずか5時間で行けるのです。アヴディフカという街では、タクシーで前線に行くことができます。人々はレストランに座り、子どもたちは学校に通い、そしてほんの数分車に乗っただけで、戦車や人々が殺し合っている光景を目にすることができます。ウクライナでは、こうした異なるレイヤーの現実がすべて同時に起こっているのです。

スタッフ・キャスト

ヴァレンチン・ヴァシャノヴィチ|監督・脚本・撮影・編集・製作 ヴァレンチン・ヴァシャノヴィチ|監督・脚本・撮影・編集・製作

1971年 ウクライナのジトーミル生まれ。カルペンコ・カリー国立演劇・映画・テレビ大学を撮影監督(1995年)およびドキュメンタリー映画監督(2000年)として卒業し、ポーランドのワイダ・スクール(2007年)でも学ぶ。2004年、短編ドキュメンタリー『AGAINST THE SUN』がクレルモンフェラン国際映画祭で審査員賞、ナンシー国際映画祭でグランプリ、トロント国際映画祭で審査員賞を受賞し、ドキュメンタリー作家として認められるようになる。長編ドキュメンタリー『PRYSMERK』はキーフのDocudays FFでスペシャルメンションを受賞し、2015年のオデッサIFFでは最優秀ウクライナ映画としてゴールデンデュークを受賞した。2012年、長編デビュー作『BUSINESS AS USUAL』(オデッサIFF、審査員特別賞、FICC賞)。長編第2作『KREDENS film』はオデーサIFFでFIPRESCI賞を受賞し、アカデミー賞2018のロングリスト入りを果たした。2014年、製作・撮影・編集としてミロスラヴ・スラボシュピツキー監督の『ザ・トライブ』に参加、カンヌ国際映画祭の批評家週間でグランプリを受賞したほか、世界各国で40以上の賞を獲得し、ウクライナ映画最大の成功を収めた。2019年、『アトランティス』が第76回ヴェネチア国際映画祭オリゾンティ部門作品賞、東京国際映画祭審査委員特別賞を受賞したほか、世界各国で多数の賞や賞を獲得。2021年、最新長編『リフレクション』が第78回ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門に選出された。

アンドリー・ルィマルーク|『アトランティス』主演、『リフレクション』出演 アンドリー・ルィマルーク|『アトランティス』主演、『リフレクション』出演

1985年 ウクライナ生まれ。学歴は心理学と実用医学。また、経営とリーダーシップのMBAを取得している。2005年から2009年まで、雑誌「Facts and Comments」、「Today」、「Glare」の特派員、調査ジャーナリストとして活躍。2009年~2014年、ナドラ銀行DTEKのコーポレートコミュニケーション部長を務める。2015~2016年、地上軍旅団の偵察部隊長、2016~現在、慈善財団「カムバック・アライブ」のインストラクター兼軍事部門長を務める。映画出演作品は、ヴァレンチン・ヴァシャノヴィチ監督の『アトランティス』『リフレクション』。

ロマン・ルーツキー|『リフレクション』主演 ロマン・ルーツキー|『リフレクション』主演

1986年 ウクライナ、ボドナリウ生まれ。父親が写真家だったため、子供の頃からフィルムカメラが手元にあり、中学3年生の時に村の結婚式などのイベントを撮影し始める。学校卒業後、プレカルパティア国立芸術大学のポップス・マス・スペクタクル演出学科に入学。さまざまな国家の祝典や記念日などに携わったが、それが好きになれず、俳優クラスに変更。2008年、ウクライナ名誉芸術家、アナトリー・フリツァン教授、ウクライナ人民芸術家のコースを卒業し、イワノ・フランキフスク学術地域ウクライナ音楽・演劇劇場の俳優となる。2013年からは、映画にも出演。ファンタジー映画『The Stronghold』(2017年)の撮影をきっかけに知られるようになる。